\本日のゴール/
夕方に強まる帰宅願望や不穏への声かけと対応を知り、
施設でも家でも安心な認知症ケアができるようになること
介護職員も介護をしているご家族も、今日から使える内容です。
なぜ夕方に不穏が増える?(夕暮れ症候群)
- 暗さによる視覚不安
- 昼間の疲れが一気に出る
- 静けさが孤独感を増す
- 生活習慣の記憶が戻る(家に帰る時間)
夕方=「家に帰らなきゃ」や「ごはんの支度しなきゃ」など昔の記憶が戻り、やっていた事をやろうとする。
介護現場で見られる行動の変化
- 「お父さんのところへ行く」や「子供が帰ってくるから」など昔の出来事を思い出している様子
- 立ち上がり、男性利用者をお父さんと誤認したり 職員を子供と誤認したりします。
- 日中できた塗り絵や折り紙などの作業を「もう、できなくなったのよ」と拒否したりします。
- 同席の人に「私は帰らなきゃいけないのよ」など話しかける事により近くの人も不安になり周囲にも連鎖してしう場合も。
認知症からくる「見当識の低下」による不安行動
時間・場所・人が曖昧になるため、
今が分からない恐怖が強まる
声かけで安心を繰り返し伝えることも大切。
✅10分寄り添うだけで落ち着くことが多い。(手を添える、そばに座る、柔らかい声)
※「傾聴」とは相手の話をじっくり共感的に聴くことをいいます。「ただきいている」といった受身的な行動ではなく、積極的、能動的なコミュニケ−ションです。介護職や看護職が目指す「傾聴」とは、話し手のペースに寄り添い積極的な関心を示し共感的に【聴く】(listen)ことです。出典:『介護アンテナ』
声かけのコツ(否定より共感してますの対応)
✅例
「心配ですよね。お迎え一緒に待ちましょう」
「ここは安心できるところですよ。私はそばにいます」

❌NG
「帰る家はありません」
「何回言えば分かるの?」
否定は不安になり、脳にストレスがかかります。
この人は受け止めてくれたと安心すると行動が落ち着いたりします。認知症の方は 相手の表情や声のトーンなど敏感に感じやすい。
施設や自宅での環境調整も効果的
- 早めに照明を明るく
- 食事前後の休息
- 職員のバタバタと忙しさを見せない様にする。
- 役割行動で安心感をつくる(自宅でやっていた事、洗濯物たたみなど)
認知症の進行かも?評価ポイント
- 最近「夕暮れ症候群」の行動が落ち着いた様にみえて
「落ち着く=認知症の改善」ではなく
「あきらめ(考えないや出来ないなど)=認知症の進行」の可能性もある事を知ろう。
🔍 行動の有無より
心理状態の変化を確認することが重要です。
認知症を介護する家族へ
認知症の方は、
毎日がいつも“初めて”のように感じている。頭の中で忘れてしまっている〈覚えられない〉・〈呆れた周囲の表情〉など不安で心にストレスを感じている心境だと思ってほしいです!
同じ質問が続き、
言葉が通じない日が増え、
気づけばこちらの口調が強くなる…
それは家族(あなた)が悪いのではありません。
それが「認知症」です。誰もがなりうる病気「認知症」です。
そして、
毎日一緒にいる家族だからこそ
介護疲れや「心配りが出来たやさしい母親・自信で大きく見えた父親だったのに!」と「どうして?」と格闘のなかで家族も混乱してしまうと思います。それを本人にぶつけてしまうと、不安が大きくなり余計に自信がなくなりストレスから認知症が進行してしまったりします。
だから…
レスパイトケア(家族が離れる時間)をつくる!
- デイサービス
- ショートステイ
- 訪問介護の活用
- 地域包括支援センターに相談

家族が健康で笑顔だからこそ、大切な人を守り続けられます。
まとめ:安心をつくるのが介護
帰宅願望や不穏は
「家族のもとへ帰りたい」「子供たちの為」「誰かの為」という
人は誰かの為に頑張っていられる事は素敵な感情の表れだと。
私たち介護職員が目指すのは
行動を止めることではなく、不安を小さくしてあげること。
\本日のゴール/
夕方に強まる帰宅願望や不穏への声かけと対応を知り、
施設でも家でも安心な認知症ケアができるようになること
これから高齢化の時代「認知症ケア」が介護職員や家族にとってもより身近なものになります。
自分が介護する側になっても、誰もが安心して生きられる社会であります様に。
最後まで読んでいただきありがとうございました。また、お会いしましょう。(^_^)v
