認知症の方と避難するときの声かけ・対応例

認知症ケア

認知症の方は、災害時に「突然の変化」や「大きな音」「見慣れない場所」に強い不安を感じます。混乱を防ぎ、安心して避難行動をとってもらうには、声かけや対応がとても重要です。

以下に、場面別に対応例を紹介します。


▶状況①:地震が起きた直後

職員も怖い思いをしている中 利用者様を第一と考える思いやりが素晴らしい。しかし内心は 自分の家族や家の事を考えながら行っている。そんなやさしさと責任感からの声掛け例を載せます。

📣声かけ例:
「ちょっと揺れたね。ここに座っててくれる?私もそばにいるから大丈夫だよ」
→ 大きな声やパニックを避け、「安心感」をあたえて不安を少しでも取り除く事が混乱を招かないスムーズな方法だと思います。


▶状況②:避難を促すとき

場所の移動に少しでも早くやスムーズに動いてほしいとの心模様も分かりますが、ここは焦りや急がせを感じさせない様に移動の声掛けが大切だと思います。ここで 利用者様の不安や混乱が出てしまうと動く事をしなくなったり怒り出してしまったりしてしまう恐れが出てきます。そしてケガや転倒してしまう事も考えられます。

📣声かけ例:
「今日はちょっとお出かけしようか。風が強いから、私と一緒に歩いてくれる?」寄り添う声掛け
「避難」「地震」「危ない」といった言葉を避け、日常の延長のような声かけが効果的です。職員の内心の動揺にも落ち着きが出てくる。


▶状況③:服を着てもらいたいとき

冬場などは、寒さもあり上着を着用してもらうと荷物も減ります。そしてなにより、寒さは体の動かしも悪くなりますし 冷えは気分も悪くなったりしてしまします。しかし 服を着すぎて動きが悪くなる注意もあります。

📣声かけ例:
「ちょっと寒くなってきたから、この上着を着て出かけようね」
→ 避難用の準備だと意識させすぎないことがポイントですね。認知症の人は周りの状況を感じ取る事に敏感なような気がします。(私の経験上ですが)


▶状況④:混乱・抵抗があるとき

職員の心模様も混乱していますが、自分の心をまず置いといて 利用者に傾聴(聞く事)が結果利用者も協力してくれスムーズに行動してくれます。

認知症の方との対応→ゆっくりと穏やかな口調で5~10分ほど寄り添う事で利用者も心が落ち着いてくれ 行動に協力してくれたりします。※この5~10分や少し時間を空けて見守る事、視界から離れたり、他の職員と交代する事も利用者の混乱を落ち着かせる方法です。

📣声かけ例:
「大丈夫、○○さんのことは私がちゃんと見てるからね」
「今だけちょっと私に付き合ってくれる?」
名前を呼びながら、信頼関係を活かして安心させる


▶状況⑤:避難中や避難所での不安を感じているとき

場所の確保が出来たら知らない人やたくさんの人たちもいる中で、何人もの利用者を対応することは大変だと思いますが、変わらずゆっくりとした口調で かなりの心の動揺が利用者はあると思いますので 手を握ったり スキンシップも取り入れ 過度のストレスを少しでも少なく出来る様にしてあげましょう。 

📣声かけ例:
「一緒に来てくれてありがとう。そばにいてくれると私も安心するよ」
役割を持たせる言い方で、本人の自尊心を保つ


💡補足:行動の工夫

  • 一緒に行動する(手をつなぐ・背中を支える)
  • 避難先で「いつもと同じような関わり」を意識する

✍まとめ

災害時こそ、私たちの「ケアの力」が問われるとき。しかし自分の家族の心配事も少しでも解決してから 利用者にケアに入った方がいいと私は思っています。自分の環境が整わず他者に貢献が出来るほど出来た人間ではありません。ただ助けあいが大切な事も理解しています。他者貢献も分かっています。「やらなかった後悔をしたくない」が私の中にあります。 私の価値観で1位が、子供なんだと思います。子供の健康や安全が確保できれば 私の時間は 他者に使う事をしたいと考えています。まず、自分の心が落ち着くことで 声掛けなどゆっくりとした口調で話したりし時間を作ったり出来るのだと思います。
限られた時間・職員の確保の中で、バタバタしてしまう所を「ふーーっ」と呼吸を整えて色々な対策方法や行動を考えたいですね。認知症の方も 人生の先輩です。先輩たちは職員の人生の先を歩んできたので 心が落ち着いたときの 利用者の言葉に助けられる事もあります。時には利用者にも協力してもらいながら 行動していけたらいいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございます。

日々 いつ起こるかわからない災害 人と人のつながり(協力)で少しでも 被害が少なく 孤独にしない みんなで協力していけたらと願います。

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