介護の仕事をしていると、
「こんなに動いてるのに誰も見てない」
「助けたのに、自分が困った時は助けてもらえない」
「真面目な人ばかり損してる気がする」
そんな気持ちになることがあります。
介護士8年目の私自身、何度も思ってきました。
利用者さんのために動く。職員のフォローに入る。空気を読んで先回りする。
でも、それが当たり前になると、評価されないことも多いです。
昔の私は、”頑張れば分かってもらえる” “やった分くらい返してほしい”、そんな気持ちが強かったと思います。
でも最近は、少し考え方が変わってきました。
「返してもらいたい」を手放した
以前は、「私はこんなにやったのに」「なんで助けてくれないの?」、そんな不満を抱えることがありました。
でも、その気持ちを持ち続けるほど、自分が苦しくなっていったんです。
だから最近は、”自分が選んで動いた行動”だと考えるようにしています。
あの時動いたのも、声をかけたのも、利用者さんのために頑張ったのも、自分で選んだ行動。
だから、感謝されなくても、評価されなくても、全部を相手に求めすぎない。
そう思うようになってから、少し心が楽になりました。
介護現場にいる「ギバー・テイカー・マッチャー」
人との関わりには、大きく分けて3つのタイプがあると言われています。心理学者アダム・グラントの『GIVE & TAKE』という本で世界的に知られるようになった考え方です。
ギバー(与える人)
人に与える人。困っている人を見ると動ける人。
介護職には多いタイプだと思います。
でもギバーは、
- 無理をしすぎる
- 抱え込みやすい
- 利用されやすい
- 疲弊しやすい
という面もあります。
テイカー(受け取る人)
受け取ることが多い人。
悪気がない場合もありますが、「やってもらって当たり前」になってしまうと、周りが疲れていきます。
マッチャー(バランスを取る人)
「やってもらった分は返す」「損得のバランスを考える」タイプです。
実は私も、昔はかなりマッチャー寄りだったと思います。
だから、「私はこんなに動いたのに」「なんで返ってこないの?」と苦しくなっていました。
でも最近は、”全部を返してもらおうとしない”ことも必要だと思うようになりました。
一番成功するのも、一番つぶれるのも「ギバー」
『GIVE & TAKE』の中で、ハッとしたことがあります。
実は、一番成果を出して幸せになるのも、一番疲れ果ててつぶれてしまうのも、どちらも「ギバー」なのだそうです。
違いはひとつ。自分を犠牲にして与えるか、自分も大切にしながら与えるか。
つぶれてしまうのは、自分をすり減らして与え続ける人。長く輝けるのは、自分の心と生活を守ったうえで、人に与えられる人。
介護の現場で言えば、「優しいまま、つぶれない働き方」を選んでいいということです。
「居座る」という選択も悪くない
介護職って、真面目な人ほど辞めていきます。
でも私は最近、”辞めずに居座る強さ”も必要だと思っています。
もちろん、限界まで我慢する必要はありません。
ただ、
- 全部をまともに受け止めない
- 職場に期待しすぎない
- 人を変えようとしすぎない
- 深入りしすぎない
そんな”割り切り”も、自分を守るためには必要だと感じています。
このあたりの気持ちの変化は、こちらにも書いています。
評価されなくてもいい。施設の制度を気にせず自分のスキルを上げると決めた介護士の話
「優しい人」が壊れないために
介護の仕事は、優しい人ほど無理をします。
でも、優しさ=全部我慢すること、ではないと思っています。
だから最近は、
- 無理な時は断る
- 境界線を作る
- 頑張りすぎない
- 自分の生活を守る
ことも意識しています。
“100点の介護”を続けるより、”長く続けられる介護”の方が大事だと思うようになりました。
具体的な心の守り方は、この記事にまとめています。
介護現場でイライラしないコツ|8年働いて見つけた心を守る3選
最後に
感謝されたい。分かってほしい。返してほしい。
そう思うのは自然なことです。
でも私は、”自分が選んでやった行動なら、それでいい”と思えるようになってから、少し楽になりました。
ギバーになりすぎても疲れる。テイカーばかり見ても苦しくなる。マッチャーで損得ばかり考えても疲れてしまう。
だからこそ、「自分が納得できる動き方をする」。
それが、介護の仕事を長く続けるために大切なのかもしれません。

