「介護福祉士と介護士って、何が違うの?」——このページに来てくださったあなたは、きっとそんな疑問をお持ちだと思います。あるいは、いま介護の現場で働いていて「資格、取ったほうがいいのかな」と迷っている方かもしれません。
こんにちは。現役9年目の介護福祉士、tmoです。私は40歳で介護の仕事を始めて、働きながら介護福祉士の資格を取りました。
この記事では、名前や制度の違いだけでなく、「資格を取る前と後で、実際に何が変わったのか」を、私の実体験で正直にお伝えします。いいことだけじゃなく、しんどかったことも隠さず書きます。
この記事のゴール
介護福祉士と介護士の違いがスッキリ分かり、「自分は資格を取るべきか」を考えるヒントを持ち帰ってもらうこと。
介護福祉士と介護士の違いを、かんたんに言うと
まず、いちばん大事なところから。
- 介護士=介護の仕事をしている人全般の「呼び方」。正式な資格の名前ではありません。介護は無資格でも働き始められるので、現場に立ったその日から、誰でも介護士です。
- 介護福祉士=介護の資格の中で唯一の国家資格。国家試験に合格した人だけが名乗れます。
つまり「介護士」という大きなくくりの中に、国家資格を持った「介護福祉士」がいる、というイメージです。呼び方の違いだけなら、話はここで終わりです。でも、実際に現場で働いてきた私からすると、本当の違いは別のところにありました。
資格の階段を整理|初任者研修から介護福祉士まで
介護の資格は、ざっくり言うと3段の階段になっています。
- 初任者研修(昔のヘルパー2級):介護の入り口の資格
- 実務者研修:一歩進んだ研修。介護福祉士の受験に必要
- 介護福祉士:唯一の国家資格。働きながらの場合、実務経験3年以上+実務者研修の修了で受験できます
私はヘルパー2級(今の初任者研修にあたる資格)を持って現場に入りました。でも、働き始めて最初に思い知ったのは「この世界は、資格より実務経験がものを言う」ということでした。資格を持っていても、現場のことは何もできなかったのです。
給料の違い|私は月15,000円上がりました
みなさんが一番気になるところだと思うので、リアルな数字を書きます。私の場合、介護福祉士を取って資格手当が月15,000円つきました。年間にすると18万円です。
ただし、この金額は施設によってかなり違います。数千円のところもあれば、もっと高いところもあります。転職や就職のときは、求人票の「資格手当」の欄を必ずチェックしてみてください。
そして正直に言うと——増えたお金には、増えた責任もついてきました。ここからは、その話をします。
仕事と責任の違い|「任される嬉しさ」は続かなかった
資格を取ってから、現場の中心的な役割を任されることが増えました。最初は嬉しかったです。信頼された証だと思ったから。
でも、正直に書きます。「任されて嬉しい」という気持ちは、プレッシャーの中では続きませんでした。責任が増えるほど、嬉しさよりも「ちゃんとやらなきゃ」のほうが大きくなっていくのです。
それでも私が「資格を取ってよかった」と心から思えたのは、任されたからではありません。自分自身が向上していくことが、楽しかったからです。この気持ちの整理のしかたは、介護施設で長く働くための心構えの記事にも書いています。
一番の違いは「なぜ?」がわかるようになること
ヘルパー2級で現場に入ったころの私は、「なぜ?」がわからないまま働いていました。認知症、脳梗塞、リハビリ、麻痺——ケアの方法を、ひとつひとつ教わらないとできませんでした。
上司に「ここに来られる高齢者の方は、健常者ではないんだよ」と教わっても、当時の私はあまり理解できずにいました。人は好きなのに、目の前の方に何が起きているのかが、わからなかったのです。
介護福祉士の勉強をして、バラバラだった「なぜ?」が一本につながりました。脳の働きを学ぶと、認知症の方の行動の理由が見えてくる。理由がわかると、ケアが「言われたからやる作業」ではなく、「自分で考えてやるケア」に変わります。
私が思う介護士と介護福祉士の一番の違いは、給料でも肩書きでもなく、ここです。
学ぶことが、自分を好きになるきっかけになった
「働きながらの勉強、つらくなかったですか?」と聞かれたら、こう答えます。楽しかったです。
脳の働き、体のしくみ。知りたいと思ったことを知れると、こんなに嬉しいんだ——ということを、私は大人になってから知りました。そして、学んでいる自分に少しずつ自信がつき、そんな自分を好きになっていきました。
ちなみに、私の勉強方法は「さかのぼり方式」という、ちょっと変わったやり方です。詳しくは介護福祉士の合格体験記の記事に書いているので、これから受験する方はぜひ読んでみてください。
資格を取ろうか迷っているあなたへ
資格の勉強で学んだことは、介護の技術だけではありませんでした。学びは、自分の人生の学びになりました。
たとえば「傾聴」——人の話にじっくり耳を傾けること。これを学んでから、利用者さんへの対応だけでなく、職場の人や家族との接し方まで、幅が広がりました。介護の資格なのに、人生のいろんな場面で使えるのです。
だから、迷っているなら、私は「取る」をおすすめします。給料のためというより、自分のために。
私は40歳から介護を始めて、2人の子どもを育てながらこの資格を取りました。そのときの話はシングルマザーが40歳から介護福祉士になった記事に書いています。「今からじゃ遅いかな」と思っている方にこそ、読んでほしいです。
まとめ|何もない自分が、国家資格を持てた
最後に、介護福祉士と介護士の違いをまとめます。
- 介護士は「呼び方」、介護福祉士は「唯一の国家資格」
- 給料は資格手当の分だけ上がる(私は月15,000円。施設による)
- 任される仕事と責任が増える。嬉しさだけでは続かない日もある
- 一番の違いは「なぜ?」がわかって、自分で考えてケアできるようになること
- 学びは介護を超えて、人生の学びになる
何もなかった私が、国家資格を持てた。この自信は、誰にも取られません。あなたの一歩を、応援しています。
この記事で伝えたかったこと
介護福祉士と介護士の一番の違いは、給料や肩書きではなく「なぜ?がわかって、自分で考えてケアできること」。そして学びは介護を超えて、自分の人生の学びになる。何もない自分が国家資格を持てた——その自信が、明日のあなたを支えてくれます。

