こんにちは。現役9年目の介護福祉士のtmoです。
この記事のゴールは、介護福祉士国家試験の「認知症の理解」を、丸暗記ではなく現場と結びつけて覚えられるようになることです。私が実際にやっていた勉強のしかたを、受験生からよく出てくる質問に答える形でまとめました。
私は暗記が得意なほうではありません。年号や人物名は最後まで苦手でした。それでも「認知症の理解」だけは、勉強していて楽しいと思えた科目でした。その理由と、どうやって覚えたのかをお話しします。
Q1. 認知症の理解は、暗記だけで点が取れますか
A. 私の実感では、暗記だけだと苦しい科目です。
私は勉強を進めるうちに、自分は暗記が苦手なのではなく、理解しないと暗記に進めないタイプだと気づきました。意味が分からないまま言葉だけ覚えようとすると、次の日にはきれいに抜けてしまうのです。
認知症の理解は、その「意味」を現場から取ってこられる科目です。目の前の利用者さんという材料がすでに手元にあるので、理解から入れば、あとから暗記がついてきます。
なお、第39回の試験から、試験がパートA・パートB・パートCの3つに分かれます。認知症の理解はパートBに入っています。パートごとに合格を積み上げていける形になったので、苦手なパートがある方にとっては前より受けやすくなりました。
Q2. 病名と症状が、どうしても覚えられません
A. 私がやったのは、病名をひとつずつ調べて、その病名にはどんな症状があるのかを紙に書きまとめることでした。
参考書を上から順に読むのではなく、病名を1個決めて、その1個だけを調べる。調べたら症状を自分の言葉で書き出す。それが終わったら次の病名にいく。この繰り返しです。
そして書き出したあとに、もうひとつやることがあります。その症状を、自分の現場にいる利用者さんに当てはめてみるのです。
勉強を進めていると「あ、こんな症状の方がいたな」と、顔が浮かんでくる瞬間があります。その瞬間に覚えたことは、不思議と抜けません。文字で覚えた知識ではなく、その方の様子ごと覚えているからだと思います。
認知症の種類そのものについては、別の記事でくわしく書いています。まず種類を整理したい方はこちらをどうぞ。
Q3. 教科書どおりの症状が、現場の利用者さんに当てはまりません
A. それで正しいです。ひとりとして、同じ認知症の方はいません。
認知症は、脳の萎縮のように分かりやすく説明できる部分もあります。ですが、脳のどこが傷むかによって症状の出方が変わります。さらに、その方の生活環境によっても変わりますし、もともとの性格も関係してきます。
心理的な症状として出てくることもあります。だから同じ病名でも、出てくる姿はひとりひとり少しずつ違うのです。
ここでつまずく人が多いのは、教科書に並んでいる症状が、まるごとひとりの方に当てはまると思ってしまうからだと思います。実際はそうなりません。
私は、部分ごとに当てはめて覚えていました。この症状はあの方に出ていた、この部分は別の方に出ていた、という具合です。ひとりに全部を背負わせないで、症状ごとにバラバラの人と結びつける。この覚え方に変えてから、選択肢の細かい違いが見分けられるようになりました。
中核症状とBPSDの分け方をもう一度整理したい方は、こちらの記事にまとめてあります。
Q4. 現場であまり認知症の方に関わっていません
A. だとしたら、たくさんの利用者さんを見ること、知ることが、いちばんの近道になります。
自分の担当の方だけだと、どうしても数が足りません。申し送りで名前が出てきた方、他のフロアの方、送迎で会うだけの方でも構わないので、「あの方はどんな様子なのか」を知っておくと、それが全部そのまま勉強の材料になります。
分からないことは、まわりに聞くのがいちばん早いです。私は老健で働いているので、体のしくみや薬のことは看護師さんに聞いていました。聞くと、教科書には書いていない言い方で説明してもらえることがあって、そのほうが頭に残ります。
同じ病名なのに違う出方をする方を何人か知っていると、問題文の見え方が変わります。「この選択肢は、あの方には当てはまらないな」と、自分の中で確かめられるようになるからです。
Q5. 制度や数字の問題が覚えられません
A. 正直に言うと、私もここが苦手でした。
認知症の理解の中でも、施策の名前や年、チームの名称といった部分は、現場で顔が浮かびません。当てはめる相手がいないので、私の覚え方がそのまま使えないところなのです。
なので、ここは割り切りました。理解で覚えられないものは、最後に暗記でねじ込む。紙に書き出して、声に出して読む。それだけです。得意な部分を先に固めて、苦手な部分は試験が近づいてから詰める、という順番にしていました。
どうしても頭に入らない科目が出てきたときの話は、こちらの記事に書いています。
Q6. 認知症に興味が持てません
A. 私は昔から、人の脳の動きや考え方といった、心理的な内容が好きでした。もっと学びたくて認知症ケア専門士まで受けにいったくらいです。なので「好きだから覚えられた」と言ってしまうと、この記事はここで終わってしまいます。
ですから、興味が持てないという方に、ひとつだけお伝えしたいことがあります。
認知症を学んで私がいちばん強く思ったのは、忘れてしまうご本人が、いちばん困っているということでした。周りが困っている以上に、ご本人が不安の中にいます。さっきまで分かっていたはずのことが分からなくなる怖さは、想像するだけでも苦しいものです。
そして認知症は、誰もがなりうるものです。自分の家族もそうですし、いつかの自分もそうかもしれません。
この視点を持って問題文を読むと、正解の選択肢が急に選びやすくなります。試験で問われている対応は、たいてい「ご本人の不安をどう減らすか」を向いているからです。覚える勉強から、分かろうとする勉強に変わると、点数のほうが後からついてきます。
認知症の理解は、現場が分かれば得点源になる
私がやっていたことを、もう一度まとめます。
- 病名をひとつずつ調べて、症状を紙に書き出す
- 書き出した症状を、現場の利用者さんに当てはめてみる
- ひとりに全部を当てはめず、症状ごとに別の方と結びつける
- 制度や数字だけは割り切って暗記する
この科目は、毎日現場で見ているものがそのまま出てくる科目です。机の上だけで戦わなくていい分、働きながら受験する私たちにとっては、いちばん味方につけやすいところだと思っています。
この記事で伝えたかったことは、認知症の理解は覚える科目ではなく、目の前の利用者さんを思い出す科目だということです。今日の勤務で気になった方がいたら、その方の様子をひとつ思い出してみてください。それがそのまま、来年1月の1点になります。
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