この記事のゴール
「40代・未経験だけど、今から手に職なんて無理かな」——そう迷っている方へ。シングルマザーの私が、40歳から介護の世界に飛び込み、働きながら介護福祉士になるまでの道のりを、きれいごと抜きで正直にお話しします。大変だったこと、それでも続けられた理由、そして動き出して変わった「自分」について。
こんにちは。現役9年目の介護福祉士のtmoです。
私が介護の仕事を始めたのは、40歳のときでした。それまで介護の経験はまったくなし。専門的な知識もありません。あるのは「このままじゃいけない」という焦りと、「自分に自信が欲しい」という気持ちだけでした。
今日は、そんな私が資格を取り、現場に立ち、国家資格の介護福祉士になるまでの道のりを、順番にお話ししていきます。同じように迷っている誰かの、背中をそっと押せたら嬉しいです。
なぜ40歳で「介護」の道を選んだのか
正直に言うと、最初から「介護がやりたい!」という強い思いがあったわけではありません。理由は、もっと現実的なものでした。
- 自分に自信が欲しかったから
- 近くで、取りやすい資格だったから
- 人と関わることが、嫌いじゃなかったから
この3つでした。特に大きかったのが「自信が欲しい」という気持ちです。何か手に職をつけて、自分の力で立てるようになりたい。人間観察も嫌いじゃなかったので、人と関わる仕事なら続けられるかもしれない——そう思ったのが、最初のきっかけでした。
最初の一歩は「ヘルパー2級」だった
実はこの資格を取ろうと動き出した背景には、「将来の離婚計画」がありました。
「早く別れたい。そのためには、まず自分が動かなきゃ」。そう考えて最初に踏み出したのが、ヘルパー2級(現在の介護職員初任者研修にあたる資格)の取得でした。子どもを見てくれる人がいるうちに動いておきたい、という思いもありました。
離婚に向けて私が準備していたことは、この記事では書ききれません。もし「離婚したいのに動けない」という気持ちに心当たりがある方は、10年悩んで決断するまでを書いた記事も読んでみてください。ヘルパー2級は、私にとって「新しい人生の準備」の一つだったんです。
資格を取っても、すぐには現場に立たなかった
意外に思われるかもしれませんが、私はヘルパー2級を取ってすぐに介護の仕事を始めたわけではありません。資格は取ったものの、しばらくは別の場所で働いていました。
そんなある日、ふと思ったんです。「今の職場は居心地はいい。でも、ここを離れたら、私にはなんの経験も実績も残らない。それって、時間がもったいないんじゃないか」と。自分で自分と子どもを養えるくらいに稼がなきゃ、という気持ちも強くなっていました。
そんなタイミングで、知り合いが「ヘルパー2級を持っているなら、うちで働かない?」と声をかけてくれたんです。この一言が、私を介護の現場へと導いてくれました。
働き始めて知った「現場のリアル」
いざ現場に立って、まず痛感したのは——「頭で勉強したことと、現場はまったく別物だ」ということでした。
研修で学んだ知識は、もちろん無駄ではありません。でも実際の介護は、なにより体力勝負。そして相手は一人ひとり違う「人」です。やさしい方ばかりではありません。気難しい方もいれば、すぐに怒ってしまう方もいます。
脳の病気の影響でそうなっているのか、もともとのお人柄なのか、その見分けも簡単ではありません。今の言葉でいう「カスタマーハラスメント」にあたるような場面もありますし、ときには暴力的な行動に出会うこともあります。人が人をケアするという仕事の、いちばん大変な部分です。
「思っていたのと違う」——最初は、正直そう感じました。ここは、これから介護を始めようとしている方にこそ、正直にお伝えしておきたい現実です。
それでも続けられた理由——「人生の先輩」からもらったもの
大変なことばかりを書きましたが、それでも私が辞めずに続けてこられたのには、理由があります。
ご利用者さんの中には、人生の先輩として、私に多くを学ばせてくださる方がたくさんいました。長い人生を歩んでこられた方の言葉には、重みがあります。接しているうちに、私はこう思うようになりました。
高齢になることも、病気やそこからの障害も、誰にでも起こりうること。決して他人事じゃない。いつか自分も、自分の大切な人も通る道なんだ——そう思えたとき、この仕事は「大変な作業」から「意味のある関わり」に変わっていきました。
介護福祉士を目指した理由——憧れの先輩に近づきたくて
ヘルパー2級でも介護の仕事はできます。それでも私が国家資格である「介護福祉士」まで目指したのには、はっきりした理由がありました。
- 資格を取れば給料が上がるから
- 学ぶことで知識が増えるから
- そして何より、憧れの先輩に近づけると思ったから
職場の先輩たちは、みんな資格を持っていて、仕事ができて、本当にカッコよかったんです。「あんなふうになりたい」。その憧れが、私の一番の原動力でした。給料が上がることも、生活を考えれば切実な理由でしたが、それ以上に「あの人たちみたいになりたい」という気持ちが、私を前に進ませてくれました。(年下だろうが年齢関係ないですね!)
具体的な試験勉強のやり方については、「さかのぼり」で合格した勉強法の記事にまとめています。勉強が苦手だった私でも受かった方法なので、これから受験する方はよかったら参考にしてください。
働きながら介護福祉士になるには(未経験からの道順)
「気持ちは分かったけど、実際どうやってなるの?」という方のために、私が通った「働きながら取る」ルートを、かんたんにまとめておきます。
- まず現場で働いて、実務経験を積む(介護の仕事に3年以上たずさわるのが目安)
- 「実務者研修」を修了する(働きながら通える講座。国家試験を受けるために必要)
- 介護福祉士の国家試験を受ける(年に1回。筆記試験)
私のように、未経験からヘルパー2級(今の介護職員初任者研修)で現場に入り、働きながら経験を積んで受験する——これが「お金をかけずに、働きながら国家資格を取る」王道のルートです。
※必要な年数や研修の条件は、制度の改定で変わることがあります。受験する年の正確な条件は、必ず公式サイト(社会福祉振興・試験センター)でご確認ください。
働きながら、子育てしながらの勉強
正直に言います。働きながら、子育てしながらの資格勉強は、大変でした。
ただ、私は本当に環境に恵まれていました。子どもが体調を崩したときには、快く休ませてくれる職場でした。仕事のことも、勉強のことも、周りの人がいろいろな形で支えてくれました。今こうして振り返ると、人に恵まれていたことに、ただただ感謝しかありません。
その代わり、家のことは、正直おろそかになりました。完璧な母親でも、完璧な家事もできていなかったと思います。それでも、あのとき歯を食いしばって続けたことが、今の私をつくってくれました。
40代・未経験でも、遅くない。動き出せば、自信がつく
「40代・未経験から介護福祉士なんて、遅すぎるかな」。そう迷っている方に、私の本音をお伝えします。
正直、大変だとは思います。私もがむしゃらに頑張りましたし、たくさんの人に支えられて、やっとここまで来ました。でも、はっきり言えることが一つあります。動き出すと、自分に自信がつきます。
自信がつくと、人は強くなります。それがいいことなのかどうかは、人それぞれかもしれません。でも私は、確実に強くなりました。悩みごとの判断に、長い時間をかけなくなりました。精神的にも、忍耐という意味でも、以前とは比べものにならないくらい強くなったと思います。
そして何より——今の自分が、一番好きだと言えます。
ここまでの私の人生の物語は、シングルマザーが40歳から介護福祉士になるまでを書いた記事にもつづっています。よかったら、あわせて読んでいただけたら嬉しいです。
この記事で伝えたかったこと
40代・未経験でも、シングルマザーでも、手に職はつけられます。決して楽な道ではないけれど、一歩踏み出せば、自分に自信がついて、少しずつ強くなれる。そして、その道のりを支えてくれた人たちへの感謝が、何よりの宝物になります。今日が、あなたの一番若い日です。

