人間関係はいいのに、なぜ辞めていくのか!責任感が強い人ほど削られる介護現場【現役9年目】

介護士

この記事のゴール

・人間関係がいい職場でも、責任感が強い人ほど疲れていく理由がわかる
・仕事が「気づく人」に偏っていく、悪意のない仕組みが見える
・抱え込まずに伝えるための、具体的な言い方を持ち帰れる

こんにちは。現役9年目の介護福祉士のtmoです。

「職場の人間関係は悪くない。むしろ、みんないい人。それなのに、どうしてこんなに疲れているんだろう」

そんなふうに感じたことはありませんか。

介護の仕事を辞める理由といえば「人間関係」が定番です。でも、私が9年間の現場で見てきたのは、少し違う辞め方でした。人間関係はいい。悪口を言う人もいない。それなのに、長く働いている人ほど、静かに削られていくのです。

今日は、その「いい職場なのに潰れていく」仕組みについて、正直に書いてみようと思います。

人間関係が悪いから辞めるわけじゃない

以前、尊敬していた先輩が辞めてしまったときのことを記事にしました。

【現役9年目】長く働いてきた人が辞めてしまう職場|尊敬する先輩はなぜ消耗したのか

あのときも、辞めた理由は「人間関係が嫌だから」ではありませんでした。まわりはいい人ばかりで、誰も悪意なんて持っていない。それでもその人は、疲れ切っていました。

人間関係が悪い職場なら、まだ話は簡単なんです。「合わないから辞める」と決められるから。

本当にしんどいのは、いい職場なのに、自分だけがボロボロになっていくときです。逃げ場も、怒る相手もいないのですから。

いい職場ほど、仕事は「気づく人」に集まっていく

では、なぜいい職場で偏りが起きるのか。私の現場で実際に起きていることを、4つ挙げてみます。

① 記録や書類は、結局できる人のところへ

パソコンが苦手な人は、なかなか覚えようとしません。仕事もゆっくりなので、頼めばその人の残業が増えてしまいます。

だから、まわりが気を遣って頼まなくなるんです。「あの人に振ったら、帰れなくなっちゃうよね」と。

これ、優しさなんですよね。悪気なんて誰にもない。でも、その優しさの行き先はいつも決まっています。できる人のところです。

②「あの人に聞けばわかる」で、質問が集中する

長くいる人に質問が集まるのは、ある程度は仕方のないことだと思います。

ただ、よく考えると——覚えている人なら、ベテランじゃなくてもいいはずなんですよね。3年目でも1年目でも、覚えた人が答えられればいい。

それでも「とりあえずベテランに聞こう」が習慣になると、その人は自分の仕事の手を、1日に何度も止めることになります。

③ 大変な利用者さんは、気づいた人がやってしまう

対応が難しい利用者さんほど、「気づいた人」が動きます。そして気づくのは、だいたい同じ人です。

若手が自分から「やります」と言いづらいのもあると思います。時代なのか、人によるのかは私にも分かりません。ただ、手が挙がらなければ、気づいた人がやるしかないのです。

こうして、誰が決めたわけでもないのに「なんとなくあの人の担当」ができあがっていきます。

④ 新人の指導係も、毎回同じ人

今はキャリアアップの制度で「指導職」という立場がありますが、私のまわりでは、その立場になるずっと前から指導していた人がほとんどです。

やっていることは同じなのに、手当がつくかどうかで扱いが変わる。そこでやる気をなくしてしまう人も、何人か見てきました。

新人が最初の1ヶ月にどんな思いをしているかはこちらの記事に書きましたが、教える側にも、同じだけの負担がかかっています。

誰も悪くない。だから、余計に苦しい

ここまで読んで、気づいた方もいるかもしれません。この4つ、どれも「誰かが悪い」話ではないんです。

  • 頼まない人は、相手に気を遣っている
  • 質問する人は、いちばん確実な人に聞いている
  • 気づいて動く人は、利用者さんのために動いている
  • 指導する人は、後輩を放っておけない

全員が、まっとうなことをしている。それなのに、責任感が強い人のところにだけ荷物が積まれていきます。

人間関係が悪ければ「あの人のせいだ」と言えます。でも、いい職場では怒る相手がいません。だから「疲れている自分が悪いのかな」と、自分を責めてしまう。ここが、いちばん危ないところだと私は思っています。

私が9年続けてこられた理由

正直に言うと、私はもともと抱え込まないタイプです。たぶん、それだけの理由で今日まで続けてこられました。

「続けられないこと」を引き受ける方が、迷惑になる

現場で「できません」と言うと、「そんな感情論で話してはいけない」というようなことを言われることがあります。

でも私は、こう考えています。

最初だけ頑張れても、続けられないことを引き受ける方が、結果的にまわりに迷惑をかける

途中で倒れる、途中で投げ出す、途中で質が落ちる。そのほうが、よっぽど人を困らせてしまいます。

私は、やると決めたら最後までやります。だからこそ、引き受ける仕事の中身は自分で決めています。冷たいのではなくて、むしろ逆なんです。

実際に私が使っている伝え方

偉そうなことは言えませんが、私が実際に使っているのはこの2つだけです。

1.時間を区切って伝える
「今日は◯◯があるので、それが終わってからでいいですか」

全部を断るわけではありません。「いつならできるか」を先に出すだけです。相手も予定が立てられるので、案外すんなり受け入れてもらえます。

2.はっきり「できません」「やりません」と言う

これは勇気がいります。言いにくいのも分かります。でも、あいまいに返事をして相手に期待させる方が、あとでずっと困らせてしまうんです。

自分が崩れないことを、いちばんに考えていい

最後に伝えたいのは、これです。

自分が崩れたら、家族に迷惑をかけます。そして結果的に、会社にも迷惑をかけることになります。だから私は「自分が崩れないこと」を第一に考えています。

きれいごとではありません。私自身、頑張りすぎた先で実際に病気をした経験があるからです。

早期発見について書いた記事はこちら

健康が一番。これは今なら、はっきり言えます。

今、いい職場なのに苦しいと感じている方へ。あなたが少し我慢をやめても、職場は壊れません。むしろ、あなたが倒れたときのほうが、みんなが困ります

断ることは、逃げることではありません。長く働き続けるための、立派な技術だと思っています。

この記事で伝えたかったこと

・人間関係がよくても人は辞める。いい職場ほど、仕事は「気づく人」に集まるから
・誰も悪くないからこそ、責任感の強い人は自分を責めてしまう
・続けられないことを引き受ける方が、結果的に迷惑になる
・「いつならできるか」を伝える。それでも無理なら、はっきり断っていい
・自分が崩れないことを第一に。健康が一番です

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